2014年4月23日水曜日


 作家宇野千代氏が保護活動を行い代表作「薄墨の桜」でも知られ、日本五大桜または三大巨桜のひとつと言われる岐阜県本巣市(旧・本巣郡根尾村)の淡墨桜(うすずみさくら、国指定天然記念物)の分木(樹高約10m)を門前町樽見(たるみ)地区の宮本さん宅の裏に見つけました。



 薄墨桜は、満開時には白色、散りぎわには特異の淡い墨色になることからこの名がついています。八重桜などの心躍る華やかなピンク色とは対照的に、強く主張するでもなく静かな色合いで咲く趣に、日本人の実直で控えめながらなも芯の強い姿を感じ、ついつい引き込まれます。


 日本海に面した標高100メートルの険しい山間部にあり、冬はかなり積雪量の多い地である門前町樽見で、昭和63年の分木当時の区長を努めていた宮本宏さん(85歳)が、薄墨桜の脇の日吉神社祠の管理と合わせ、今でも大切に守っておられます。
 分木の由来がたいへんおもしろいものでした。南北朝時代に門前町樽見出身の悪四郎と言う名の武将が越前金崎の戦いに敗れ旧根尾村に逃げ込み、その地で樽見という同名の地区を作ったことを御縁として、旧門前町に贈られた苗木5本のうちの現存する2本であるとのこと。
 何十年も薄墨桜を育て見守ってきた宮本さんが愛情あふれる笑顔で語る由来を聞いていると、薄墨の優しい色合いと重なり、控えめで静かでありながらも生命の尊厳に対し真摯に向き合う日本人のひたむきな強さを強烈に感じました。(K.H.)



- Copyright © 輪島ぶらり散歩 - Skyblue - Powered by Blogger - Designed by Johanes Djogan -